現役最後となった試合でのファブリス・ムアンバ【写真:Getty Images】
2012年3月17日、ホワイトハート・レーンで行われたFA杯準々決勝での出来事を覚えているだろうか。トッテナム対ボルトンの前半42分、ある1人の選手がピッチに倒れ、その後蘇生したものの現役を引退していた。
あれから4年、その男がピッチに帰ってきた。当時ボルトンに所属していた元イングランドU-21代表MFファブリス・ムアンバが、古巣の本拠地マクロン・スタジアムでのチャリティーマッチで元気な姿を見せている。
同クラブのレジェンドであるジェイ・ジェイ・オコチャ氏とディーン・ホルズワース氏を称えるレジェンドマッチに33分から交代出場したムアンバはPKでゴールも挙げ、古巣のファンやかつての仲間たちと旧交を温めた。
ムアンバは4年ぶりにボルトンのピッチに帰ってきた心境を感慨深げに語る。コメントを英『スカイ・スポーツ』が伝えた。
「本当に楽しかった。思ったより長く感じたよ。今回サッカーができたし、今度は長男と一緒にピッチに立つためにフィットネスを維持しようと思う。
馴染みの顔や古くからの友人たちに会えたのも心の底から嬉しかった。ボルトンファンの顔を笑顔にできて本当によかった。ここのファンのみんなはいつでも僕にとって特別な存在。ボルトンの街も僕にとっては大きな意味を持つんだ」
一方で古巣の現状を「困難な状況にいるのは非常に残念でならない」と嘆いている。ムアンバが在籍していた当時プレミアリーグを戦っていたボルトンは来季の3部降格が決まってしまった。
ピッチ上で意識を失い78分間の心停止状態から復活したムアンバのごとく、多くのファンがボルトンもかつての輝きを取り戻す日を待ち望んでいる。
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