集中し切れなかったドルトムント。選手らも認める
今季の香川真司にとって、最も難しい試合だったのかもしれない。2016年5月14日のブンデスリーガ第34節、ボルシア・ドルトムントはホームに1.FCケルンを迎える。
前節にバイエルン・ミュンヘンが優勝を決めて、ブンデスリーガの趨勢は決していた。ケルンに勝とうが負けようが、順位表には何の影響もない。
マルコ・ロイスと並んで2シャドーで先発した香川は「どうしてもね、やはりシーズン最後の試合で、雰囲気的にちょっとダウンしているかなあと、ちょっと感じていました」と振り返る。
BVBは1週間後にDFBポカールの決勝戦が控えている。今シーズンの集大成とも言える試合が控えているからこそ、目の前の“消化試合”に集中し切れなかったのかもしれない。
そのことについて試合後にバイグルは「まだ決勝のことは重要じゃない」と否定した。しかし「それを正確に説明することは出来ない。僕らは少し集中を欠いた」とも言う。
ケルン戦は、来季はバイエルンに移籍するマッツ・フンメルスのホーム最終戦でもあった。主将の退団の影響も少なからずあっただろう。
ドルトムントは11分、カストロのミドルシュートで先制に成功する。1-0。そして圧倒的にボールを支配した。
BVBが敵陣で回していく中で、香川は、先週のフランクフルト戦の前半に比べれば、前を向いて攻撃を組み立てることが出来た。1人でトップ下をこなすよりも、2シャドーのほうが、幾らかプレッシャーは軽減する。
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