レスターの純粋に美しい優勝劇
おとなりイングランドのお話ではあるが、レスター・シティの優勝は本当にうれしい。
岡崎選手の所属クラブであることももちろんだが、昨シーズン、11季ぶりにプレミアリーグに帰ってきたばかりのチームのこの快挙。タイの資本がバックについたといはいえ、パリSGのように巨額を投じてスター選手を買い集めたわけでもない。このチームで開花した優秀な選手とスタッフたちの手によってもたらされた勝利だ。
トッテナム戦で同点打を決めて“援護射撃”したチェルシーのエデン・アザールも「レスターが優勝にふさわしい」という気持ちで頑張ったという。
それだけ多くの人の心を惹きつけた、純粋に美しい成果だった。
レスターシティのサポーターだけでなく、世界中のスポーツファンが彼らの偉業に心から拍手を贈っているにちがいない。
優勝を決めるには引き分け以上が必須だった37節のマンチェスター・ユナイテッド戦で、値千金の同点ゴールを決めたのが、いぶし銀のベテラン、ウェズ・モーガン、というのもなんとも泣けるシナリオだった。
今季はプレミア連続得点記録を樹立したジェイミー・ヴァーディや、PFA年間最優秀選手賞に選ばれたリヤド・マハレズ、“マケレレの再来”と大注目のエンゴロ・カンテらが話題をさらったが、その影で、黙々とチームを支えてきたキャプテン、モーガンが、この最高の瞬間にスポットライトを浴びた。まるで湘北高校で3年間がんばってきたメガネ君こと木暮公延が3ポイントシュートを決めたときのようだ。