本田は構想外だったか?
「彼がヴェローナ戦で最もポジティブなパフォーマンスをした選手の一人だったことに別に驚きはない。その一方で、誰か(地元メディア)が彼はもはや構想外だと語っていることに非常に驚いている」
4月30日、フロジノーネ戦での前日会見で、ミランのクリスティアン・ブロッキ監督は本田圭佑についてそう語った。本田が主力として使われていたシニシャ・ミハイロビッチ前監督下の4-4-2システムを放棄し、就任当初の2試合で使わなかった事実から構想外を連想させても無理はないとも思うのだが、ともあれ前節エラス・ヴェローナ戦で、ブロッキは本田を90分間使った。
そして指揮官は本田について「サッカーインテリジェンスは水準以上」と評価し、トップ下として2戦連続の先発のチャンスを与えようとしている。ヴェローナ戦で本田は2、3手先を考えたパスの配給を見せ、特に前半ではチームの主要な攻撃の殆どに関わり、守備においても的確なポジショニングを見せていた。つまりそういった試合の流れを読んで、チームプレーに貢献する部分を評価したのだろう。
本田個人のプレーだけを見れば、4-4-2の右サイドハーフとして好調だった頃のクオリティをそのまま持ち込むことができたとも言える。ともかく、攻撃面では精彩を欠いた序盤戦でのトップ下起用時とはムードが違っていた。
もっとも前回のコラムの繰り返しになるが、ブロッキ監督は前節で「私としては(ジャコモ・)ボナベントゥーラのように前方に残る選手を好む」と語っていた。プレーインテリジェンスで中盤を成立させながら、FWとの連携が取れるかというところが評価の分かれ目となりそうである。
ただし、FW陣のコンディションも概ね良くないのは前節のヴェローナ戦で証明された通り。今節ではジェレミー・メネズが先発から外れ、出場停止から明けたマリオ・バロテッリが復帰してくることが濃厚だが、これまでの試合でご存知の通りバロテッリもチームプレーという点では出来が読めない選手である。ともかく、本田にはFWとの絡みも増やして、前線の交通整理に貢献できるかどうかも求められそうだ。