精彩を欠いたBVB。流れを変えた香川の一撃
ようやく、終わった。4月10日のレヴィア・ダービーに始まり、14日はアンフィールドで死闘を繰り広げて、20日はベルリンでDFBポカールの準決勝を戦う。そして23日のブンデスリーガ第31節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでシュトゥットガルトと試合をする。2週間の5連戦で、ホームゲームは17日のハンブルガーSV戦だけだ。
5試合連続で先発出場し、うち4試合をフル出場した香川真司は「精神的にも肉体的にも本当に厳しかった」と言う。だからこそ、モチベーションは衰えない。
「ここをしっかり乗り切ってやろうという、強い意識を持って挑みました」
それでも連戦の疲労は拭い切れない。序盤は4-4-2の守備ブロックから繰り出される、シュトゥットガルトの鋭いカウンターに苦しんだ。ドルトムントの出足は重い。20日のポカール準決勝でヘルタ・ベルリンに自由を与えなかったボールを失ったときの守備は、なかなか上手くいかない。攻撃も9分にロイスがGKとの1対1でシュートを外すなど、最後の精度を欠いた。
そんなどっちつかずの流れを、グッとBVBに引き寄せたのは、香川だった。
21分。ムヒタリアンが左サイドからクロスを入れる。低く2度バウンドしたボールを、香川は身を乗り出すように右足で押し込んだ。1-0。
香川は「当てるだけに集中しました」と言う。
「本当に難しいボールでしたけど、決め切れたことはすごく大事ですし、惜しい、で終わってしまってはいけないので、そこはもう気持ち的にも良かったのかなと思います」