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批判続くレアル10番。“現地報道”は正しいのか? 自らの目で見るべきハメスの奮起と献身性

リーガエスパニョーラ第32節、レアル・マドリーはホームでエイバルと対戦して4-0と快勝。今季、批判的な報道が相次ぎ、放出要員に挙げられているハメス・ロドリゲスだが、この試合ではフル出場。攻守に献身的な姿勢で好パフォーマンスを見せた。(文:海老沢純一)

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

W杯で一躍スターダムにのし上がるも…

ハメス・ロドリゲス
レアル・マドリーの背番号10番を背負うハメス・ロドリゲス【写真:Getty Images】

 試合開始から5分後、ゴールまで得たFKのチャンス。背番号10の振り抜く左足から放たれたシュートは、壁の間とGKの指先を抜けてゴールラインを割った。

 2014年ブラジルW杯、対戦国にその能力を見せつけて一躍世界の中心人物へと名乗りを上げたハメス・ロドリゲス。遠く離れている上にW杯では煮え湯を飲まされた日本においても、妻の存在が報じられ、アイドルグループのメンバーが好きな人物として名前を挙げ、テレビCMにまで起用されるほど人気を高めた。

 ブラジルW杯が終わると100億円を超える移籍金でレアル・マドリーに加入。W杯の1年前にはポルトからモナコへ4500万ユーロ(約55億円)で移籍しており、わずか2年で150億円を超える金額を動かしたということになる。

 マドリーでの加入1年目はカルロ・アンチェロッティ監督のもとで、その力を発揮。リーガ29試合出場で13ゴール13アシストを記録した。指揮官がラファエル・ベニテスに代わった今季も、ベティスとの第2節で角度のない位置から決めた直接FKとバイシクルシュートという高次元の2得点を披露した。

 ハメス・ロドリゲスの物語はさらなるハイライトを迎えると誰もが思い、本人も信じていたはずだった。

 しかし、ベティス戦後は負傷により長期離脱。復帰後は監督問題に揺れるチーム内で力を発揮しきれない状態が続いた。さらに追い討ちをかけたのがラファエル・ベニテスからジネディーヌ・ジダンへの監督交代だった。

 ジダンは中盤にトップ下ではなくアンカーを置いた4-1-2-3を採用。2枚のインサイドハーフはモドリッチ、クロースをメインに据え、ウイングはクリスティアーノ・ロナウドとベイル。ハメスは居場所を失ってしまった。

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