27日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)・グループA第5節で、日本代表MF香川真司の所属するマンチェスター・ユナイテッドは敵地でレバークーゼンに5-0で勝利。香川はトップ下でフル出場し、2得点に絡んだ。CLにおける敵地での大勝は3冠を達成した1998~99年シーズンに6-2で勝ったブロンビー戦以来のことで、マンチェスターユナイテッドはグループリーグ通過を決めた。香川の現地評は以下の通り。
『スカイスポーツ(テレビ局)』=8点(高評価)
―マット・スタンガー記者
「香川は今季これまで印象を残せず苦しんできたが、彼は自分の得意とするトップ下のポジションでモイズ監督が無視できない突出したプレーを見せた。フェライニとファンペルシが欠場したことで、香川にトップ下でのレアな先発を言い渡されたが、今季同ポジションでプレーした選手の中で一番いいプレーを見せた」
―ガリー・ネビル解説者
1点目:「香川のインターセプトから始まり、ギグスを見つけて上手く展開し、その後も香川はゴール前まで走り続け、彼をカバーしたバレンシアが決めた」
4点目:「香川のルーニーへのひと突きのパスは素晴らしかった」
『マンチェスター・イブニング・ニューズ(地方紙)』=7点(及第点):香川とそのファンが望むトップ下でプレーし、今回はトップ下での本来の実力を見せた。
―サイモン・バイカウスキ記者
「香川をめぐる難題は続く。香川は周囲が望み続けていたトップ下で先発し、実力を発揮した。日本代表の10番はユナイテッドの中心選手となり、ルーニーとも見事な連係を見せた。だがモイズ監督の悩みは残る。香川、ルーニー、ファンペルシは共存可能か?」
『メール(全国大衆紙)』:7点(及第点)
―サイモン・キャス記者
「香川は自身の得意とする10番のポジション、ルーニーの後ろで輝くチャンスを得た。モイズ監督も香川がドルトムントからファーガソン前監督に引き抜かれた際の全盛期の調子を取り戻すことに期待しているはずだ。香川は卓越した鋭い視野と運動量で、中央で巧みにギグスやジョーンズとの連携も見せ、ドイツでのプレーを楽しんだ」
『テレグラフ(全国一般紙)』:
―ヘンリー・ウィンター記者
「モイズ監督は香川を彼の得意とするトップ下でプレーさせたことで結果を手にした。香川の長所に疑いはなかった。周囲の疑問点は彼の精神面と身体面にあったが、彼は序盤に空中戦で一度負けたものの、すぐに躍動し、自信を深め、効果的な動きを見せた。
UEFAの試合後のスタッツによると、香川の走行距離12.48キロで誰よりも走った。この種のスタッツは効果的でなければあてにならないが、香川の動きは常にレバークーゼンに危機をもたらした。彼はルーニーと効果的な連係を見せた。
香川にとって不運なのは、ファンペルシが怪我から復帰すれば、再び左サイドに追いやられるかベンチに下げられる可能性があることだろう。少なくとも香川は今回、モイズ監督に真価を示した」
『インディペンデント(全国一般紙)』:
―ジャック・ピットブルック記者
「香川はトップ下の位置で真価を示した。開始30秒で見せたルーニーへの完璧なスルーパス、1点目の速攻の起点、4点目の絡みは卓越していた。不慣れな左サイドよりも明らかにいいプレーだった」
今季初めてとも言える高評価を得た香川は、来月1日に敵地で行われるトッテナムとのリーグ戦に向けて調整することになるが、今回は得意のトップ下で強烈な存在感を示した。モイズ監督にいい意味での選択肢を増やしたことは間違いなさそうだ。
【了】