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日本代表 9年前

ハリルJに漂う“内田ロス”。W酒井が内田篤人を超えるために必要なこと

W杯アジア2次予選で1位突破した日本代表。最終的には無失点で終えたが、守備のレベルアップが不可欠なのは言うまでもない。最終予選、W杯に向けて改善すべきポジションの1つが右サイドバックだ。2人の酒井が担っているが、現状では十分ではない。レベルの高い戦いになった際に内田篤人の不在が大きな影響を及ぼすかもしれない。(文:元川悦子)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

無失点だが、最終予選に向け守備には不安

 7勝1分の勝ち点22、総得点27、失点0。これが日本代表の2018年ロシアW杯アジア2次予選E組の最終結果だ。アジア全体を見ても、FIFAランキングトップのイランがD組でトルクメニスタンとオマーンに2引き分け、2015年アジアカップ王者・オーストラリアもB組でヨルダンに1敗を喫しており、全勝だったのはG組を首位通過した韓国だけ。日本は隣国に次ぐ好成績を残したと言える。

 昨年6月の初戦・シンガポール戦(埼玉)をスコアレスで引き分けた時はチームに暗雲が漂ったが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督と選手たちの信頼関係が深まるにつれて、戦い方や選手起用に臨機応変さや自由度が増していった。

 3月に埼玉で行われたアフガニスタン・シリアのラスト2連戦では、4-4-2や4-3-3のフォーメーションにトライするなど、戦術的バリエーションを増やそうという指揮官の姿勢も強く感じられた。

 就任からずっと4-2-3-1の布陣にこだわり、固定メンバーを使い続けたアルベルト・ザッケローニ監督(現北京国安)に比べれば、ハリルホジッチ監督は柔軟性のあるマネージメントをしているのではないか。

 そんな中、前述の通り、守備陣は無失点で2次予選を終えた。だが、シリア戦のリスクマネージメントの悪さは目を覆わんばかりだった。

「カウンターをこんなに食らうのは絶対にダメですし、褒められるわけではないんですけど、勝った試合でこの課題が出たのがよかった」と本田圭佑(ミラン)は前向きに語ったが、守備陣を統率する吉田麻也(サウサンプトン)は「ラインコントロールにしても、リスクマメ―ジメントにしても、カウンターの守備に対しても、あまりにも雑な部分が多かった。僕を含めてイージーミスが多かった」と反省しきりだった。

 最終予選になれば相手が強くなるだけに、この不安定さでは何点取られるか分からない。守備陣のレベルアップは日本にとって最重要テーマの1つなのだ。

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