ピッチ外では感傷的にならざるを得ない恩師との再会
どうしてもユルゲン・クロップが衆目を集める。2016年4月7日のヨーロッパリーグ準々決勝、1stレグでボルシア・ドルトムントは、ホームにクロップが率いるリバプールFCを迎える。
08年から7年間にわたってBVBを指揮した前監督の帰還に、ドルトムントの街が沸くのも無理のないことだ。10/11、11/12シーズンとブンデスリーガで2連覇を達成し、12/13シーズンにはチャンピオンズリーグの決勝にも導いた。
6日付の『シュポルトビルト』誌はリバプール戦を「今年一番のエモーショナルな試合」と記している。香川真司にとっても、欧州でのキャリアを形成していく上で欠かせなかった恩師との再会となる。
しかし、7日にドルトムントが対戦するのは、あくまでリバプールなのだ。4日付の『キッカー』誌のインタビューで、ミヒャエル・ツォルクSDは「実際クロップの存在によって特別な試合だ」としながらも「第一にはドルトムント対リバプールの試合だ」と述べている。
「ドルトムント対クロップではない。もしくはトゥヘル対クロップでもない。木曜日にロマンティックのための場所はない」
感傷に浸る余地はない。舞台はELの決勝トーナメントだ。余興も兼ねたプレシーズンマッチではないのである。
前日の会見で、トゥヘルによれば、対戦が決まってからリバプールに対するスカウティングを徹底したのだという。加えて香川ら、クロップのサッカーを知る選手が揃っていることは、何よりの強みと言えるだろう。
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