長友の契約延長はなぜ遅れているのか?
「今話し合いの途中だし、もうすこしすると良い報告ができると思う。選手やスタッフとの関係といい、インテルはもはや自分の家だ」
代表ウィーク前の3月12日、セリエAのインテルvsボローニャ戦の前、インテルの長友佑都は地元のTV局のインタビューに対しそう語っていた。
夏の時点での戦力外扱いから一転して評価を取り戻し、今はクラブとの契約延長交渉に臨んでいる。地元メディアも選手とクラブ側は大筋で合意したと専らの報道。契約期間が1年延長+オプションになるか、あるいは3年間になるかという見方は分かれているが、合意は既定路線と勢いで報じられている。
ただ、「契約延長」と報じられて始めてから1ヶ月以上が経っている。なぜ遅れているのだろうか。両者の間で何かがこじれているということなのだろうか。「今話し合いの途中」という言葉を受け止め、決まってから報じるのが正しいのかもしれないが、現状が気になるというのも正直なところだ。
まず取材をしている限りにおいては、選手サイドに迷いがあるという印象は受けなかった。「僕の血はネラッズーロ(青と黒)に染まっている」と彼は昨年12月に語ったが、そこから「僕自身はここに残りたいと思っていて、その気持ちは変わることなく話は続けている」と一貫して話している。ミックスゾーンで談話を聞く限りにおいては、その表情やトーンの変化などは感じられなかった。
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