【前編はこちらから】 | 【サッカー批評issue59】掲載
ザッケローニの監督としての資質
――監督自身についても伺いたいと思います。ブラジル戦で90分に栗原勇蔵と宮市亮を投入しました。この采配はかなり疑問でした。親善試合なのに残り時間わずかとなってからの交代に意味はあるのでしょうか?
三浦「栗原の交代はセオリーで言うとないよね。そこはメディアが質問すべきなんじゃない?」
飯尾「僕はミックスゾーンにいたんですが、監督会見でそうした質問は出なかったようです。(編集注:監督会見と選手への取材は時間帯がかぶることが多い。同時に取材することができないことも)」
羽中田「ザックの選手交代がズバッと決まったのって…記憶にないなぁ。まぁ弱い相手が多いからかな。ブラジル戦のハーフタイムに内田(篤人)と酒井宏樹を交代させたでしょ。あれはいいと思います。ただ、呼んだのにまったく使わないのはどうなんだろう。クラブの監督としてはどうなの? コンディション調整とか大変だと思うんだけど」
三浦「基本的にそういうのはいい迷惑ですよ(笑)。クラブに残れば試合に出られる、選手は成長できる。それがなくなってしまいますから。欧州クラブの監督でも怒っていた方はいましたよね」
――シュツットガルトのラッバディア監督ですね。「いつも尻ぬぐいをするのは我々だ」と。結局、所属する酒井高徳は今回も出場しませんでした。
羽中田「『代表』の力が強すぎのかもしれません。今、クラブは招集がかかったらなかなか断れない状況です」
飯尾「ザックは初招集の選手をいきなり使うことはありませんよね。まずは自分の戦術を浸透させて、代表のやり方を学ばせる」
三浦「イタリア人らしく序列をきちんとつくっているんでしょうね」
里内「そうそう。若い選手にとってはA代表の匂いを嗅がせるというのも重要です。本番は2014年ですから今からその準備をする、ということですね」
三浦「まぁ采配については今の段階ではとやかく言えませんよ。監督の力が試されるのはチームが追い込まれたとき。強豪と戦って劣勢になったときに、効果的な手を打てるか。それが本当の実力」