「誰にも負けたくない」思いが答えを導く
「単純に結果勝負だと思っているので、自分の存在を結果で見せなきゃいけないし、誰にも負けたくない」
日本代表に合流した岡崎慎司は21日の練習後にメディアの前で慎重に言葉を選びながら今の思いを語った。この一言はプレミアリーグで厳しい競争を駆け抜けてきた“サムライ”だからこそ出たものだ。
岡崎が所属するレスターは快進撃を続けている。シーズン開幕当初は降格候補筆頭で、所属選手も優勝争いができるクオリティを備えているとは言えなかった。それがいまや世界中の話題をさらっている。
エースのジェイミー・ヴァーディーやリヤド・マハレズが味方のサポートを受けてゴールを決めまくれば、ダニー・ドリンクウォーターとエンゴロ・カンテが献身的に走り回って相手の攻撃の芽を摘み、ロベルト・フートとウェズ・モーガンが壁となってゴール前に立ちはだかる…あらゆる要素がうまく噛み合ってレスターは勝利を積み重ねている。
その中の1人として居場所を確立した岡崎だが、もがき苦しんでやっと今の境地までたどり着いた。ブラジルW杯での惨敗から悶々と「なぜ勝てないのか」「どうすれば勝てるのか」と考える日々。自分自身のことよりもチームや日本代表のことに頭がいってしまい、疲弊していたという。