英国内で飛び交う「浪漫」と「波乱」の言葉
首位レスターをトッテナムが追う形で4月を迎える今季プレミアリーグ。まさかの優勝争いに沸く国内では「浪漫」という言葉が飛び交う。レスターにとってのリーグ優勝は、132年前のクラブ創設以来初という夢のまた夢。強豪の1つには数えられるトッテナムにとっても55年ぶりの悲願達成を意味する。
特にレスターは開幕前の降格候補だ。監督も、昨夏の就任時には早期解任が予想されたクラウディオ・ラニエリ。おまけに、ゴールを重ねてチームの勢いを体言しているジェイミー・ヴァーディーは、4年前までセミプロだった苦労人ときている。
弱者が逆境を跳ね返すサクセスストーリーは、サッカーファンに限らず人々の心を揺さぶるもの。そこに、「迷監督」と言われた前回プレミア時代も「好人物」としては評判だったラニエリの人柄と、英国人の「判官贔屓」気質が加われば、全国レベルでレスター優勝を心待ちにするムードが高まるのも頷ける。
「波乱」という言葉も頻繁に聞かれる。通常、終盤戦で優勝の行方を左右する番狂わせを演じるクラブが現れることはある。過去2年連続で、リバプールとマンチェスター・シティからポイントと優勝の望みを奪ったクリスタルパレスのように。