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香川真司 9年前

バイエルンとの天王山、トゥヘルの狙いは? 高次元のゲームを生み出した戦術合戦

ブンデスリーガ第25節、ドルトムントはホームでバイエルン・ミュンヘンと対戦。香川真司はベンチ外となったが、この天王山でトーマス・トゥヘル監督が立てた戦術プランを分析する。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

対バイエルン限定の布陣

トーマス・トゥヘル
バイエルン戦で戦術を入念に練ったトーマス・トゥヘル監督【写真:Getty Images】

 81分。ロイスに代わってラモスが入った。向かった先は左サイドだった。ワントップには、そのままオーバメヤンがいる。なぜラモスは、トップではなくサイドに入ったのだろうか。

 2016年3月6日のブンデスリーガ第25節、ボルシア・ドルトムントはホームにバイエルン・ミュンヘンを迎え撃つ。勝ち点の差は5だった。2位と首位との直接対決に、ジグナル・イドゥナ・パルクは燃え盛った。

 試合後にBVBの指揮官トーマス・トゥヘルは「バイエルンは極めて高いレベルでプレーする」と述べた。

「今日はディフェンスにおいて規律を保つことが重要だった。状況に応じて本当に上手く守る必要があった」

 トゥヘルの、バイエルンの監督ペップ・グアルディオラに対する尊敬の念は揺るがないようだ。ドルトムントは対バイエルン限定とでも呼ぶべき布陣を敷いた。

 シュメルツァー、フンメルス、ベンダー、ピシュチェク、ドゥルムの5バックに、2列目はロイス、ギュンドアン、バイグル、ムヒタリヤン、そしてオーバメヤンのワントップである。

 またペップはペップで、少し変わった形だが、ドルトムントを認めている。

「もしバイエルン・ミュンヘンが存在しなかったら、BVBはドイツのチャンピオンとなっているだろう。もしBVBが存在しなかったら、バイエルンは既に優勝を決めているだろう」

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