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レアルが陥った「ポゼッション」の誘惑。マドリー・ダービーの明暗分けた“成熟度”

リーガエスパニョーラ第26節、レアル・マドリーはホームでアトレティコ・マドリーと対戦。同じ街をホームタウンとする2チームによるダービーは、アウェイチームの勝利となった。この結果となった大きな要因には、チームの成熟度の違いがあった。

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

支配率、パス精度で大きく上回ったマドリーだが…

レアル・マドリーのジネディーヌ・ジダン監督
ジネディーヌ・ジダン監督【写真:Getty Images】

 ボール支配率は、試合の優劣を決める重要な指標である。当然、パーセンテージが高まればボールを持つ時間が増え、攻撃を仕掛ける機会も増すこととなる。ある意味では強いチームであることの証ともいえる。

 その一方で、サッカーというスポーツはゴール数で勝敗が決まる。どんなにボールを支配しパスを回そうともゴールを奪えなければ勝利をつかむことはできない。逆にボールを支配しなくともゴールさえ奪えば勝者となることができる。

 リーガエスパニョーラ第26節、スペインの首都を二分するダービーが行われた。ホームチームとなるのはレアル・マドリー。そこへアトレティコ・マドリーがアウェイチームとして乗り込む。

 試合は序盤からホームのレアル・マドリーがボールを支配。90分の支配率は66.2%(レアル・マドリー):33.8%(アトレティコ・マドリー)、パス総本数674本:365本、パス成功数580本:213本、パス成功率86%:70%と大きな差が生まれていた。

 このような数字となった理由としては、もちろんマドリーがホームでアトレティコがアウェイという立場の違いある。しかし、それ以前に両チームがポゼッションとカウンターという対照的なスタイルであることが大きい。

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