連携のスムーズさでガンバを圧倒
サンフレッチェ広島は、昨シーズンに幕を下ろしたのと全く同じ形で新たなシーズンをスタートさせた。先週末のゼロックス・スーパーカップで、持ち味であるアップテンポで多彩な攻撃を発揮し、昨年のチャンピオンシップ決勝で打ち破ったガンバ大阪相手に3-1の勝利を収めたのだ。
クラブW杯を3位で終えてから2016年シーズンに向けた準備を開始するまでわずか3週間のオフしかなかったというのが信じがたいほどだ。日産スタジアムで見せた選手たちの連係はこれまでにないほどスムーズなものだった。
ドウグラスの移籍がチームの攻撃力低下に繋がるのではないかとの懸念もあった。だが、佐藤寿人はチャンスを活かすことにかけては今でもJリーグで最高の選手であることを証明してみせたし、浅野拓磨も成長を止める様子はなさそうだ。もともと怖い選手ではあったが、昨シーズンのタイトルを決定付けるゴールやU-23アジア選手権決勝での劇的な2ゴールでさらに自信を強めている。
さらにピーター・ウタカも加入。69分に交代出場してからわずか4分後に新チームでの名刺代わりとなるゴールを決め、ガンバの反撃の望みを絶つことに成功した。
シーズンを前にして、サンフレッチェが日本のナンバーワンチームという地位を保つためには決定力を高める必要があると森保監督は話していた。Jリーグのプレシーズン記者会見でのことだ。
「浅野には昨年以上にゴールを決めてほしいですね。昨年はリーグ戦で8ゴールでした。もちろんそれ以外の貢献も大きかったですが、彼にはまず自分でもっとゴールを決めることに集中してほしいと思います。チャンスメークに絡むこともですね」
「ウタカは個人能力やテクニックに優れた選手で、チャンスメークもゴールを決めることもできます。今はチームにフィットさせようと取り組んでいるところです。シャドーストライカーとしても点取り屋としてもプレーできると思いますが、(ドウグラスに比べて)チャンスメーカー寄りだとは思います」