豊富な国際経験がクラブのプラスに
昨季限りでスタンダール・リエージュを退団した後、欧州でのプレーに強くこだわり、無所属で半年以上の間、新天地探しを続けてきた川島永嗣。日本代表の座を一時的に失うほどの賭けに出て、最終的にたどり着いたのが、スコットランド・プレミアリーグのダンディー・ユナイテッドだった。
ビザ取得に予想外の時間を要した彼がチームに合流できたのは昨年末。その時点でダンディーはリーグ戦わずか2勝(リーグカップ含めて3勝)で、ダントツの最下位に沈んでいた。
川島は1月2日のダンディーFC戦でいきなりスタメン起用されると、そこから8試合連続出場。豊富な国際経験を持つ彼の加入がプラスに働き、2月20日のハーツ・オブ・ミドロシアン戦までの間、チームは公式戦4勝1分3敗(リーグ戦2勝1分3敗、スコティッシュカップ2勝)と徐々に調子を上げている。
20日のハーツ戦も相手は3位にいる上位チームだったが、ダンディーは前半から主導権を握った。40分にハーツに退場者が出て勢いづいた彼らは前半終了間際、右CKから元コートジボワール代表MFギー・デメルが先制点をゲット。いい形で折り返した。が、後半開始直後に相手の鋭い左からのシュートで同点に追いつかれてしまう。
反応できなかった守護神は「ボールが浮いてたし、ボールが落ちてきたらもうちょっと距離を詰めてもよかったけど…」と悔しがったが、すぐに気持ちを切り替えて味方を鼓舞する。
残り10分間はダンディー側にも退場者が出て、最後まで乱戦模様を呈した一戦は、残り2分のところでキャプテンマークをつけたボランチ・ペイトンが強烈ミドルを突き刺して、ダンディーが2-1で勝利。ホームのサポーターからは勝利の凱歌が久しぶりに響いた。