ゼロックス杯を制したサンフレッチェ広島の選手達【写真:ダン・オロウィッツ】
【サンフレッチェ広島 3-1 ガンバ大阪 ゼロックス杯】
今季の開幕を告げる富士ゼロックススーパーカップが20日に開催され、昨季何度も死闘を演じたJリーグ王者サンフレッチェ広島と天皇杯覇者ガンバ大阪が激突した。
広島は昨季とほぼ変わらないメンバー構成で今季初タイトルマッチに臨む。ドウグラスが抜けたシャドーにはクラブW杯で輝いた茶島雄介が入り、浅野拓磨とピーター・ウタカはベンチスタートとなった。
対するG大阪は期待の新戦力アデミウソンをトップ下で先発起用。岩下敬輔を欠くCBには今野泰幸が入り、ボランチで19歳の井手口陽介が遠藤保仁とコンビを組む。
序盤は両チームとも新しい組み合わせを確かめるかのごとくスローペース。どちらも決め手を欠き、45分間でビッグチャンスはほとんど生まれずスコアレスのまま前半を終えた。
後半開始直後の51分、試合が動く。塩谷が右サイドから低く速いクロスを上げると、今野との駆け引きを制した佐藤寿人が左足のかかとでコースを変えてゴールに押し込んだ。このプレーで足を痛めたエースは直後に浅野拓磨と交代。今季から10番を背負う期待の快足アタッカーに「拓磨頼んだぞ、決めてこい!」と声をかけてピッチを後にした。
さらに55分、G大阪に悲劇が起こる。左からのクロスをブロックした丹羽大輝がペナルティエリア内でハンドを犯して広島にPKが与えられる。スロー映像ではボールが当たったのは丹羽の顔で、本人も飯田主審に猛抗議したが受け入れられず。そのPKを交代したばかりの浅野が豪快に決めて点差が広がってしまった。
2失点したG大阪はアデミウソンとパトリックを下げて倉田秋と長沢駿を投入して流れを変えようと試みる。すると68分、右サイドの阿部浩之が上げたクロスに宇佐美貴史が完璧なヘディングで合わせて1点差に詰め寄る。
だが広島は新戦力の個人技で再びG大阪を突き放す。73分、CKを4分前に投入されたばかりのウタカが右足ダイレクトボレーでゴールに叩き込み3点目を手にいれた。
その後もしっかりとG大阪の攻撃を封じ込め、選手層の厚さを示した広島が2年ぶり4度目のゼロックス杯制覇を遂げた。昨季のチーム得点王が抜けても別の選手が穴を埋め、パワーアップした王者は今季も健在だ。
【得点者】
51分 1-0 佐藤寿人(広島)
57分 2-0 浅野拓磨(広島)
68分 2-1 宇佐美貴史(G大阪)
73分 3-1 ウタカ(広島)
【了】