「ミランは迷いが払拭された」。敵将も称賛
「ミランは以前と比べて迷いが払拭され、成長過程にある。前半戦とは全く別のチームになっている。彼らを止めるには、完璧な試合運びをする必要がある」
ミランvsジェノア戦の前日、記者会見に臨んだジェノアのジャンピエロ・ガスペリーニ監督は、相手のチーム状態をこのように称えた。ミランのチーム状態について、異論を挟むものはいない。後半戦は3勝2分けで無敗、しかもうち2勝は上位にいたフィオレンティーナとインテルから挙げている。
前節のウディネーゼ戦は勝ちきれなかったものの、後半は相手を圧倒しパフォーマンスの継続性は示した。最終ラインから前線がまでがコンパクトな陣形を保ち、精力的に守備に参加。そして後方、中盤を経由してショートパス主体でボールを堅実につなぎ、選手間の連動を駆使してゴール前へボールを運ぶ。ガスペリーニの言うとおり、ジェノアの猛烈なハイプレスにたじたじとなり、何もできずに惨敗した前半戦の姿とは確かに違う。
その後半戦で勤勉な守備とシンプルで的確なつなぎでチームに貢献を続けた本田圭佑は、やはりジェノア戦でも先発が濃厚である。前半戦でのジェノア戦(アウェー)から先発落ちが始まり、同試合で途中出場のチャンスも訪れなかったのだが、今回は「別ものになった」チームの原動力として相手に挑むことになる。
しかし、これまでどおりの活躍は可能なのだろうか? ミランのシニシャ・ミハイロビッチ監督は13日の前日会見の中で「ジェノアは相手に悪いプレーをさせるチームだ」と語っていたが、彼らの持ち味は相手のサッカーの仕組みを破壊するオールコートのマンマークにある。
ホームポジションは3-4-3だが、守備においては相手の布陣にあわせるため意図的に4-4-2や5-4-1へと崩していく。そしてかみ合った選手がマンマークでマッチアップした相手を捕まえに行くのだが、本田のいる右サイドにはジェノアの左WB、もしくは左ウイングの選手が下がって本田を見ることになる。