中国の爆買いに戸惑うディエゴ・フォルラン【写真:Getty Images】
今年の冬は、中国のクラブが多くのビッグネームを爆買いしていることで移籍市場で猛威を振るっている。
江蘇蘇寧はチェルシーからブラジル代表MFラミレスを2800万ユーロ(約36億4000万円)を中国史上最高額で獲得したが、その1週間後には広州恒大がアトレティコ・マドリーから4200万ユーロ(約54億6000万円)でコロンビア代表FWジャクソン・マルティネスを獲得して記録を更新。
だが、そのわずか2日に江蘇蘇寧がそれを上回る5000万ユーロ(約65億円)でシャフタール・ドネツクのブラジル代表MFアレックス・テイシェイラを獲得した。わずか9日間の間で3度も国内史上最高金額が塗り替えられている。
この状況に、かつてセレッソ大阪でプレーした元ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランも戸惑いを隠せないようだ。UAEメディア『ザ・ナショナル』の連載コラムで綴っている。
「中国が冬の移籍市場で主役になるとは誰も予想しなかった。私の好きなJ・マルティネスはまだ30歳になっておらず、キャリアのピークでもない。彼は世界のトップ10ではないリーグへと移籍した」
さらにフォルランは、中国が高額な金額で選手を次々と獲得することを「狂っているように見える。お金で多くの選手が移籍している」としている。
また、フォルランはサミュエル・エトーの例を引き合いに出し、再びヨーロッパの主要リーグに戻ってプレーしてほしいと願っている。
かつてバルセロナでプレーしたエトーは、インテルを退団したあとロシアのアンジ・マハチカラへ移籍。しかし、チェルシーに移籍したことで再びヨーロッパのビッグクラブへと舞い戻っている。
「僕のライバルだったエトーは、スペインで得点王を獲ったあとにロシアのアンジに移籍した。ロシアリーグは中国よりもレベルが高い。多くの選手はアジアへ行ったが、そしてヨーロッパの主要リーグに戻ってくることができると思う。決まり切った言い方だけど、可能なはずだ。J・マルティネスもヨーロッパに戻ってくるだろう」
中国からヨーロッパに戻り、成功を収めた選手といえばディディエ・ドログバだろう。チェルシーでチャンピオンズリーグ優勝を果たすと、上海深化へ移籍するが、再びチェルシーに復帰してプレミアリーグ優勝に貢献している。
今後も多くのビッグネームが中国へと移籍する可能性は高いが、彼らがヨーロッパに戻ってくる日は来るのだろうか。
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