ジアネリ・インブラ【写真:Getty Images】
移籍市場最終日に決定したフランスU-21代表MFジアネリ・インブラのストーク移籍に関し、スペイン紙『スポルト』は奇妙な点があると指摘している。
フランスのマルセイユからポルトに加入してわずか半年しか経っていないインブラは、先発出場わずか7試合のみでそれほど目立つ選手というわけではなかった。にもかかわらず、移籍金はポルト入団時よりも400万ユーロ(約5億2000万円)高くなってストークへと引き抜かれていった。
”ヴィエラ2世”の異名をとるなど将来性のある若手とはいえ、それほど活躍したわけでもない選手の市場価値がたった半年間で高まるとは考えにくい。むしろ下がってもおかしくないはずだ。またストークとの契約には、インブラが次回別のクラブへ移籍した場合、そこで発生した移籍金の15%がポルトに渡るという条項が含まれているという。
これらのあまりにもポルト有利な契約の謎は、すぐに解けた。これまでラダメル・ファルカオやメスト・エジルらの契約内容を極秘情報に基づいて暴露してきた『フットボールリークス』がインブラについても興味深い書類を公開している。
そこにはポルトがマルセイユから同選手を獲得した際に資金を援助した「ドイエン・スポーツ」というファンドの存在が記されていた。そして、ポルトはインブラが期待したほどの活躍を見せられなかったために放出を決断したようだ。
ドイエン・スポーツはミランと提携関係にあるなど、多くの選手や指導者を顧客に抱える組織だ。これまでポルトとは何度も取引しており、ハメス・ロドリゲスのモナコ移籍、フッキのゼニト行き、ファルカオのアトレティコ・マドリー移籍、そしてエリアキム・マンガラのマンチェスター・シティ移籍などをサポートしてきた。
インブラの移籍にもドイエン・スポーツが関わっているとすれば、黒い思惑が透けて見えてくる。ストークのマーク・ヒューズ監督は同選手を評価しているようだが、新天地イングランドで”高い買い物”に見合う活躍を見せられるだろうか。
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