FC東京U-18の久保建英【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】
1月31日(日)、東京都クラブユースU-17選手権の決勝リーグ第2節が東京ガス武蔵野苑多目的グランドにて行われFC東京U-18(以下、FC東京)とFCトリプレッタユース(以下、トリプレッタ)が対戦した。
試合は序盤から両チームが激しくボールを奪い合う。主導権を握りたいFC 東京に対しトリプレッタは激しくボールホルダーをチェックし簡単にペースを握らせない。
それでも、最初にビッグチャンスを作ったのはFC東京。6分、右サイドバック岡庭愁人が迫力あるオーバーラップからゴール前に鋭いクロスを上げる。これをフリーでゴール前に飛び込んできた松岡瑠夢が頭で合わせるもシュートはゴールキーパー正面。
このチャンス後、FC東京はサイドからの展開に好機を見出す。すると16分、今度はこの日左サイドバックに入っていたDF荒川滉貴のクロスをトリプレッタGKがファンブル。そのこぼれ球をMF生地慶充がしっかり詰めてFC東京が先制点を奪う。
不運な形で先制点を奪われてしまったトリプレッタだったが、この失点で集中力を切らしてしまう、ということはなかった。中盤の激しい守備はもちろん、攻撃面でも10番を背負う司令塔・宮澤亮太朗やアタッカーの高野路万、FW山口ツンデローレンスを中心にFC東京ゴールに迫った。一方、リードしたFC東京はミスからピンチを招く場面が何度かあったが、失点するまでには至らず。1-0で試合を折り返した。
後半が始まってもトリプレッタは集中力を高く保ち、試合は前半同様に拮抗した展開が続く。するとFC東京は56分、FWの選手の入れ替えを行う。その交代のおよそ10分後に試合が動いた。後半途中から左サイドバックにポジションを変更していた生地があげたクロスのこぼれ球を途中出場のFW鈴木郁也が拾い右足で豪快に蹴り込んだ。
これでリードを2点に広げたFC東京。結果的にこの2点目が勝敗の行方を左右することに。均衡を破り勢いを増したFC東京は76分、FW松岡がチームに貴重な3点目をもたらす。その3点目の直後、先週行われた決勝リーグ第1節で中学生ながらU-18デビューを果たしたFW久保建英が2試合連続となる出場を果たす。
すると84分、左サイドでボールを奪った久保がドリブルで密集地帯を抜け、右サイドに展開。右サイドからのクロスが逆サイドに流れると同じく途中出場のMF杉山伶央が引きつけ中央に折り返す。そのパスを受けた鈴木が再びゴールネットを揺らし4-0とする。さらに試合終了間際、今度は久保が魅せる。
ボールを受けた久保はディフェンダー3人に囲まれながらも、ペナルティエリア左角付近から左足でシュートを放つ。そのシュートは惜しくもバーに弾かれたが、ジュニアユース年代の選手として唯一ひとまわり年齢が上の選手たちと共にピッチに立つだけのクオリティを見せた。
2ゴールをあげチームの勝利に貢献した鈴木や、出場10分弱で存在感を見せた久保を含め総勢9名の選手を途中出場させたFC東京がチーム力の高さを見せ、トリプレッタに4-0で勝利を収めた。
【了】