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U-23豪州代表が背負う亡き友の想い。逆境を跳ね返しリオへの切符掴めるか

text by 編集部 photo by Getty Images

U-23豪州代表が背負う亡き友の想い。逆境を跳ね返しリオへの切符掴めるか
20歳の若さで亡くなったディラン・トンビデス【写真:Getty Images】

 AFC U-23選手権に参加しているオーストラリア代表は、ある1人の今は亡き仲間のために戦っている。豪紙『ヘラルド・サン』が伝えた。

 オーストラリア代表のユニフォームの襟裏には「DT38」の文字が刻まれている。これは2014年4月18日に精巣ガンのため20歳の若さで亡くなった元同国U-22代表ディラン・トンビデスの頭文字を取ったものだ。

 オマーンで開催されたAFC U-22選手権に飛び級で出場するほど将来有望な若手選手だったトンビデスは、大会の3ヶ月後にこの世を去った。プレイヤーとして最後のピッチはこの大会の準々決勝サウジアラビア戦となってしまった。

 その時のチームメイトたちと監督がリオデジャネイロ五輪をかけてカタールでの予選に臨んでいる。そこでトンビデスの母親が息子と同じ病に苦しむ青少年を救うために立ち上げた財団のシンボルマークをユニフォームに付けて共に戦うこととなった。

 U-23オーストラリア代表のアウレリオ・ヴィドマー監督はトンビデスに想いを馳せ、「我々はキャンプが始まる時、この大会をディランに捧げると話した。彼はここにいるべき選手だったんだ。今回は一生に一度しかない機会だが、彼は亡くなる前にオマーンで我々と共に戦い、もう二度とボールを蹴ることができない」とその死を悼む。

 そして「困難な時はディランのような人たちがどうするかを考えるようになった。もし我々が予選を突破できたなら、彼へのどんなものより素晴らしい贈り物になる。それが重要なんだ」と、リオデジャネイロ五輪の出場権を今は亡き教え子に捧げることを誓った。

 天国で見守るトンビデスとともに歩み続けるオーストラリア代表。初戦でUAEに敗れて窮地に立たされているが、亡き友の想いを胸にリオへの切符を勝ち取れるだろうか。

【了】

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