「Jリーグと欧州のサッカーのスタイルは全く異なる」
現時点で日本代表を1年近く率いたことになるヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、2016年をスタートさせるにあたって、日本代表の現状について彼らしく率直な言葉を述べてくれた。
昨年3月にハビエル・アギーレからチームを引き継いで以来、ボスニア人指揮官が何も臆することなく自分の考えを口にしてきたことは間違いない。
選手の体脂肪率を公に強調したり、もっとシュートを打つべきだと要求したり、Jリーグの審判はコミュニケーションスキルを向上させるべきだと指摘したりといったように、日本のサッカーに慣れてきても物事を気楽に捉えるようになってしまう様子はほとんど見られない。
サムライブルーはW杯2次予選で問題なく首位を占めているとはいえ、ハリルホジッチ監督はこれまで目にしてきた選手たちの戦いに全く満足してはいない様子だ。次のようなコメントがそれをよく表している。
「本田(圭佑)や香川(真司)の代わりを務められる選手はおらず、未来は不確定だ。Jリーグと欧州のサッカーのスタイルは全く異なっており、特に競争心の部分に大きな違いがある」と共同通信は指揮官の言葉を伝えている。
「日本の社会は見事なまでに組織が整っているが、個人がイニシアチブを発揮できる機会はほとんどなく、その結果として創造性を欠くことになる。それが試合にも表れている」
この問題は決してJリーグや日本代表だけに限定されるものではなく、柔軟性のなさや保守性は日本サッカーのピラミッドの下層にもしばしば見受けられる。その懸念は、ハリルホジッチ監督が抱える日本の次世代に関する不安へと繋がっている。