1ヶ月のブランクを経て天皇杯準々決勝を戦った5クラブ
大詰めを迎えた天皇杯はベスト4が出そろい、29日に準決勝、来年元日には決勝戦が味の素スタジアムで行われる。2月下旬のACLグループリーグとともに幕を開けた、長丁場のシーズンもいよいよフィナーレを迎える。その一方で、決して看過できない事象も生まれている。
今シーズンからは、従来とは異なる大会方式のJリーグチャンピオンシップが新設された。さらに12月にはFIFAクラブワールドカップが3年ぶりに日本で開催されたことで、レギュラーシーズンの最終節は昨シーズンよりも2週間早められている。
セカンドステージの最終節は11月22日。それより以前に行われた、天皇杯4回戦までで敗退していたJ1の10クラブにとっては、同時に2015年シーズンの終了を意味していた。
対照的に、チャンピオンシップに出場したサンフレッチェ広島、ガンバ大阪、浦和レッズを除く5つのクラブは、26日に行われた天皇杯準々決勝まで1ヶ月以上も日程が空いていた。
Jリーグの村井満チェアマンは、22日に都内で開催したシーズン総括ブリーフィングで、クラブごとにスケジュールが異なるシーズン終盤戦がもたらす弊害をこう指摘していた。
「コンディション維持が難しいという問題はあります」
果たして、天皇杯準々決勝を振り返れば、11月22日以来の公式戦となったFC東京、サガン鳥栖、ヴィッセル神戸がそろって敗退している。ともにブランクを抱える柏レイソルとベガルタ仙台の対決は、ゴールを奪い合うやや大味な展開となった。
各チームとも練習試合などで実戦不足を補ってきたはずだが、タイトルをかけた真剣勝負を繰り広げたチャンピオンシップ出場組の優位は動かなかった。FIFAクラブワールドカップも続けて戦ったサンフレッチェは、3位に食い込んで得た自信をFC東京戦での逆転勝利に結びつけたといっていい。