オランダ代表とのテストマッチで、日本代表のゴールマウスを守ったのは川島永嗣ではなく西川周作だった。
2失点は喫したものの、彼の持ち味でもある正確なキック技術を見せるなど見せ場も多かった。現状での正GKは川島と見られているが、西川の好パフォーマンスはワールドカップ本大会に向けた良いアピールになったはずである。
実は日本代表のGKには、こんなジンクスがある。
それは「日本代表で背番号1をつけたGKはワールドカップでゴールマウスを守れない」というものだ。本来であれば、正GKがつける背番号が「1」なのだが、それをつけたGKは過去の4大会ではことごとく出場できていないのである。
まず初出場となった98年フランス大会。このとき背番号1をつけたのは、小島伸幸だ。GK陣で最年長ということもあって1番をつけていたかと思われるが、全試合フル出場したのは20番の川口能活だった。
続く02年の日韓大会。このとき背番号1をつけたのは、川口能活だった。楢崎との熾烈な正GK争いを繰り広げていたが、登録メンバー発表直前に出場していたテストマッチでの惨敗により、正GKから外されている。この記念すべき本大会に全試合フル出場したのは12番の楢崎正剛だった。だが翌大会となった06年のドイツ大会では、1番をつけていた楢﨑正剛ではなく、23番の川口能活が全試合フル出場を果たしている。
このジンクスは、10年の南アフリカワールドカップでも続く。この大会で1番を背負っていたのは、予選を通じて出場していた楢﨑正剛。しかし直前のテストマッチから岡田監督は、21番の川島永嗣を抜擢。川島永嗣は全試合フル出場を果たしているのである。
現在、日本代表の1番を背負っているのは川島永嗣で、西川周作が12番となっている。来年のブラジル本大会で、このジンクスが続くかどうかも注目されそうだ。
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