ようやく実現した三権分立
11月14日の日本サッカー協会(JFA)理事会で、大幅な協会内の司法制度改革が断行された。その狙いは、「簡単に言えば、三権分立」(田嶋幸三副会長)ということになる。
三権とは一般に、立法(国会)・行政(内閣)・司法(裁判所)を指す。これまでのJFAは国会に当たる理事会と、内閣に相当する会長以下幹部との二権は分立していたが、裁判所に当たる規律委員会、裁定委員会といった組織は理事会の傘下に置かれており、理事会は規律・裁定委員会の決定を覆す権限を有していた(実際は処分が6ヶ月未満の決定については各大会の規律委員会に権限を委譲しているが)。
また、理事と委員の兼務も可能となっており、司法の独立はないと言っていい状態だった(ちなみに規律委員会とは競技に関する処罰を決める機関で、裁定委員会は競技以外で起きたことへの処分を決める機関)。
日本のスポーツ組織では当たり前の状態とも言えるが、「FIFAルールに合わせましょうということ」(田嶋副会長)で、今回の改革ではこれらを改め、JFAの司法機関(規律委員会・裁定委員会)の決定を最終のものとし、理事会の干渉を禁止し、JFAの理事や職員などとJFAの司法機関の兼務も禁止するとともに、委員長には法律家をあてることも規定に明記した。
各都道府県や各リーグが個別に設置している規律委員会についても、兼務を禁止するよう要請していくこととなった。