シャルケを下し降格圏を脱出したアウクスブルク
奇跡は何度でも起こすことが出来る。アウクスブルクの監督マークス・ワインツィアルは、言葉に熱を込めた。
「私は期待している。我々には前半戦を良い形で終えるための力がまだなおあるということをね」
2015年12月16日のDFBポカール3回戦、対ボルシア・ドルトムント戦を控えてのことだ。アウクスブルクはBVBをホームに迎える。
「ラスト1分の狂気」――。14日付の『キッカー』誌は、13日に行われたブンデスリーガ第16節、アウクスブルク対シャルケの試合をそう報じた。1-1のドローが濃厚だった92分、カイウビーが勝ち越し弾を叩き込んだ。
「望んだんだ。ボールが足下に落ちてこいって。それからパーフェクトに打ち抜いたよ」
ヘーヴェデスがクリアしようとしたボールは、左の足下に落ちて来た。望み通りだった。ダイレクトで合わせる。次の瞬間には、アウクスブルクのファンもベンチも狂気に乱舞した。
「ファンタスティックだったね。僕たちは決意と魂を持って戦った」
シャルケ戦の3日前、既にアウクスブルクは「ラスト1分の狂気」を引き起こしている。ヨーロッパリーグのグループL最終節、ベオグラードでの対パルチザン戦のことだ。1-2でリードしていたが、得失点差の関係でグループ敗退が濃厚だった89分、ボバディアがヘッドで3点目を決めた。決勝トーナメントへの道を開く一撃だった。
シャルケに勝利して、アウクブルクは降格圏を脱出した。16位から13位に上げている。10月25日の第10節でドルトムントに5-1で敗れて、最下位に沈んでいた頃とは違う姿を見せ始めている。