マゼンベ、クラブW杯までの道のり
1939年にカトリック・ベネディクト会の修道士によって創立されたクラブとして、TPマゼンベの名が“オールマイティ(全能)”を連想させることに驚きはない。14の国内タイトルと5つのアフリカタイトルを手にし、“トゥ・プイサン(フランス語で「万能」の意)”の名は伊達ではない。
コンゴ民主共和国に位置し、3度目のFIFAクラブワールドカップに参加するこのクラブは自らが背に受けている期待をよく理解しており、思い出に残る2010年大会の準優勝を超えることを目指している。
「我々が(CAF)チャンピオンズリーグでUSMアルジェに勝利した時、スタジアム(アルジェリアのスタッド・オマル・ハマディ)全体が歌っていたよ」
パトリス・カルテロン監督は、13日に行われるJリーグ王者・サンフレッチェ広島との準々決勝を前に振り返った。「我々は期待と責任を感じている」
「準々決勝を戦えるのは名誉なことだ。我々はこの経験をコンゴの、そしてアフリカの人々と分かち合いたい」
2度目の出場となった2010年のクラブワールドカップ、前回大会で6位につけていたマゼンベは、初戦でCONCACAF(北中米)王者のパチューカを1-0で破った。準決勝の結果を予想した人々は少なかっただろう。レイブンズ(クラブの愛称)はリベルタドーレス(南米選手権)王者のインテルナシオナルを2-0に追いやり、決勝へと駒を進めたのだ。
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