スコアレスでも本田に出番はなし
ミラン相手に勇敢にプレスをしかけ、守備も統率が乱れず、前線ではマルコ・ボリエッロが体を張ってボールをキープし、そこから多くのチャンスを作る。カルピは非常に良かったが、格下を崩せなかったのはミランにとっては失態か。スコアレスドローに終わった試合後、アウェーのミランサポーターは挨拶に来た選手たちを拒否し、ブーイングを浴びせた。
「前半は良くなかったが、後半は相手を押し込みチャンスを作ることができた。内容を見れば我々が勝つにふさわしい試合だったと思うが、前線には点を取るための強引さ、勝負強さが足りなかった」とシニシャ・ミハイロビッチ監督は嘆いた。
ただ、それでもなお本田圭佑にチャンスは訪れなかった。1日のコッパ・イタリア5回戦クロトーネ戦では、攻撃面で結果が出せなかった。
控えから途中起用したのはルイス・アドリアーノのみ。1点が欲しい展開の中で、「ゴール前では物足りない」という監督の評価が定着していた本田を使う気にはなれなかったということだろう。
この試合、4-4-2の右サイドハーフとして先発起用されていたアレッシオ・チェルチも不安定だった。もっとも彼は一人で縦にボールを運んで行けるので、現在の戦術上では重要な存在である。これもまた、本田の出場を遠ざけた理由の一つだろう。
そして点を取りたいときに、エムバイエ・ニアンをサイドに持って行き、前線を2枚に増やした。ミハイロビッチ監督は「本田はチェルチの次にいる」などと語っていたが、もはやそうやってカウントしているかどうかも怪しい。
スタメン組には疲れが見える。しかし年末まで日程が過密になるなか、本田にチャンスは訪れるのだろうか。
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