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香川真司 9年前

全身の血が沸騰した香川の劇的決勝点。ドルトムントに勝利をもたらした「悔しさ」

ブンデスリーガ第15節、2位ドルトムントはアウェイで3位ヴォルフスブルクと対戦。前半に先制しながら終了間際のPKで同点に持ち込まれたものの、その直後に香川真司が劇的な決勝点を決めて勝利を収めた。この日、スタメンを外れた香川だったが、勝敗を分けた「わずかな差」となったのはその「悔しさ」だった。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「終了間際のPKは大きな失望だった」

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劇的な決勝点を決めた香川真司【写真:Getty Images】

 全身の血が沸騰した。次の瞬間には、ムヒタリヤンに向かって駆け出していた。後半のアディショナルタイムも2分を過ぎようとした頃のことだ。

「気持ちは凄く昂った」

 試合を決定付けたゴールの感触を、「劇的過ぎるので」と前置きしながら、そう香川真司は振り返った。

 90分。ボルシア・ドルトムントは追い込まれていた。アンドレ・シュールレが左サイド=ピシュチェクとスボティッチの間を突破しようとする。たまらずピシュチェクが手を掛ける。主審は笛を吹いて、ペナルティスポットを差す。リカルド・ロドリゲスがゴールの右に決める。ヴォルフスブルクが追い付く。土壇場だった。1-1。

 BVBの監督トーマス・トゥヘルは「終了間際のPKは大きな失望だった」と振り返る。スベン・ベンダーも「極めて厳しかった」と感じていた。ロドリゲスが叩き込んだゴールは、そのまま敗北に繋がる訳ではない。それでも掴んでいたはずの勝ち点3は、試合終了まであとわずかのところで、勝ち点1に減った。香川も「最後、追いつかれて改めて厳しさは感じていた」と言う。

 2015年12月5日のブンデスリーガ第15節、アウェイの対ボルフスブルク戦で先制したのはドルトムントだった。32分。ロドリゲスからパスを受けたギラボギを、ムヒタリヤンが急襲した。カットしたボールをロイスが拾って、ベナーリオを交わし、ゴールに流し込む。1-0。

 先制点を決めたロイスは「前半は僕らのほうがいいチームだった」と振り返る。序盤開始からBVBには勢いがあった。5分、ムヒタリヤンの右からのクロスを、ベンダーが左足で合わせてクロスバーを叩いた。

 9分、エリアの手前でロイスがタメて、スルーパスにピシュチェクが右サイドを走りこむ。ファーに走り込んだオーバメヤンへのボールは、ナウドが寸前でクリアした。

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