教え子だったフィテッセの選手が代表に呼ばれる
今回、オランダ代表の分析を監修した林雅人は、オランダの指導者ライセンスを取得するためにフィテッセに身を置いて実習研修を受けていた。その時に、U-17のコーチを任される機会に恵まれる。今回、日本代表と対戦するオランダ代表のメンバーの中に、その時の教え子が召集された。
彼は当時16歳だった。彼のプレーを最初に見た時に、「これはプロになれるな」とすぐにわかった。あの頃から走れる選手という印象がある。縦横無尽にピッチを疾走するようなアスリートタイプの選手だった。現在、22歳になった彼の名はデヴィ・プレッペル(フィテッセ所属)と言う。
プレッペルのような自国リーグで活躍する若手が何人も召集されている。アヤックス、フェイエノールト、PSVの3チームから各4人ずつの12人が今回のトレーニングマッチに呼ばれた。
ここ数年、オランダ代表の問題点としてよく言われるのが、レギュラー組とサブ組の質の違いである。言い方を換えれば、「選手層の厚さ」をどのようにもたらすのか、という問題点の解消なのだ。
そのためにも、自国リーグで頭角を現している若手をどのように試合の中でマッチングさせていくのかがファン・ハール監督の解決すべきテーマでもあるのだ。日本との試合は、若手を積極的に実戦で使っていけるチャンスになっている。
その中で林が注目する選手は、シーム・デ・ヨング(アヤックス)である。セリエAで活躍するケビン・ストロートマン(ASローマ)が注目されるところだが、ヨンクは、ダイレクトパスがうまく、軽快なパス交換から停滞した局面の流れを変える力がある選手だと言える。
若手の選手たちにとって、セカンドチョイスの選手からファーストチョイスの選手へと見方を変えられる絶好の機会となるだろう。