香川が感じた「感覚のズレ」
ボルシア・ドルトムントが再び軌道に乗り始めた。3分。シュメルツァーのクロスを、ミキタリヤンがダイレクトで打つ。GKティトンが弾いたボールを、カストロが頭で押し込んだ。1-0。石火の一撃は、相手の出鼻を挫いた。シュトゥットガルトの暫定監督ユルゲン・クラムニは「あの早い失点は想定外だった」と振り返る。
2015年11月29日、ブンデスリーガ第14節、ドルトムントはホームにシュトゥットガルトを迎えた。16位と低迷するシュトゥットガルトは、24日に監督アレクサンダー・ツォルニガーを解任し、U-23を率いていたユルゲン・クラムニが暫定的に指揮を執る。ドルトムント戦はクラムニ暫定監督の初陣だった。シュトゥットガルトは、まさにこれから巻き返しを図ろうとする。
しかしカストロのゴールは、そんなシュトゥットガルトの希望にヒビを入れた。主将のゲントナーは「あの立ち上がりの失点は痛かった」と言う。
低迷とまではいかなくとも、2連敗中のドルトムントもまた、勢いを取り戻そうと試合に臨んだことに変わりはなかった。ベンダーは「3連敗は受け入れ難かった」と言う。カストロの一撃によって、BVBは一気に停滞を破り、息を吹き返したのだ。
19分。ベンダーのパスを、エリアの手前でカストロが右足で落とす。右サイドから走りこんだオーバメヤンが、ループでGKティトンを交わしてゴールを決める。2-0。20分までにBVBは2点のリードを奪った。それでも香川は「前半は特に上手くいっていなかった。感覚のズレはひとりひとりあったと思います」と振り返る。