FC東京退任の胸中を明かしたフィッカデンティ監督【写真:Getty Images】
FC東京を今季限りで退任することが決まったマッシモ・フィッカデンティ監督が自らの胸中を明かした。28日、イタリア『ゴール・イタリア』が報じている。
フィッカデンティ監督は2014年1月にFC東京の指揮官に就任。2010年から2011年まで当時セリエAのチェゼーナを指揮し、日本代表DF長友佑都を指揮していた。FC東京就任が決定した際にはJリーグ史上初のイタリア人監督として、その采配に注目が集まった。
就任初年度よりイタリア仕込みの堅固な守備組織を形成し、現マインツのFW武藤嘉紀を抜擢するなど基盤を作る。そして、2年目となる今季は武藤のブレイクもあり1stステージで2位と好成績を収めた。2ndステージでは武藤の移籍の穴を埋めながら、チャンピオンシップ出場は叶わなかったものの、クラブ史上最多である勝点63を獲得しチームを4位に導いている。
フィッカデンティ監督は「この2年間、本当に素晴らしい時間を過ごすことができた」とFC東京のフロント、チームスタッフに感謝の気持ちを示した。また、同指揮官の残した大きな成果である若手育成にも言及し、「大きく成長してくれた選手たちには特に感謝している。彼らは人間としても大きく成長した」と語った。
一方で、契約延長とはならず退任という結果に至った理由については「残念ながら私とフロントとのビジョンに違いがあった」と説明している。成績不振ではなく、クラブ運営の方向性に折り合いをつけられなかった形だ。
最後にフィッカデンティ監督は「最高のサポーターたちにもお礼を言いたい。彼らは、私のことを常にサポートしてくれた」と語り、「一生心に残る。決して忘れることはない」と感謝の気持ちを表した。
同指揮官が「まだ天皇杯が残っている。最高の結果を残せるよう、最後までともに闘いたい」と語る通り、FC東京は12月26日に天皇杯準々決勝・広島戦を戦う。果たしてJリーグ史に残るイタリア人指揮官は有終の美を飾ることができるのだろうか。
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