吉田麻也【写真:Getty Images】
サウサンプトンに所属する日本代表DF吉田麻也がFIFA公式サイトのインタビューに応じ、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督や代表チームのチャレンジについて語った。
「W杯とアジアカップはすべての人に大きな失望をもたらした。僕らはそこから回復している途中だと思う。そこに新しい監督が新たなスタイルを持ち込んだ。このチャレンジは皆にとって正しい道だ。監督は多くのことを変えようとしていて、それは絶対に簡単なことではない。それでもいろいろなことを変える必要があるというのは明らかだ」
昨年のブラジルW杯での惨敗や、今年1月のアジアカップ準々決勝敗退が日本サッカーにもたらしたものは大きいと語る吉田。ハリルホジッチ新監督を迎えてチームは変わりつつある。最初は非常に厳しい指揮官の姿勢に困惑したというが、迷いはすでに消え去った。
「彼は気難しい性格のように見えたが、ことあるごとに1対1で話して、非常にオープンな人柄ということがわかった。彼は誰に対してもフランクに接する。練習はとてもハードで、終わった後には本当に長いミーティングをするというのは皆にとって大きな変化だったけど、共同作業に慣れるためには時間がかかるし、新しい監督なら起こりうることだった」
8ヶ月ほどハリルホジッチ監督とともに改革に取り組んできた日本代表だが、吉田にとってこれまでの変化は小さく、まだ十分でない様子。新たなスタイルの最適解を見つけるのに手間取ってW杯予選では不満の残る戦いが続いている。
「監督は非常にモダンなスタイルを求める。切り替えのスピードや極端にコンパクトな陣形、プレーインテンシティ…。“蹴って走る”は日本の特徴に合っていない。だから僕らはプレーにスピードを必要とする。これは重要なことで、もちろん僕らのテクニックやモビリティ、スピードといった強みを生かすことにもつながる。それに正しいバランスを見つける必要がある」
さらに「日本人にはフィジカル的な強さや戦術的な動きが欠けている」と指摘する吉田は、これらがヨーロッパで活躍できるCBやGKの少なさの原因になっていると考えている。一方で「身長や体格的特徴を変えることはできない」ことも十分に理解している。
それでも「自分たちが進歩していくつもりなら、アプローチの仕方を変えてプレーすることで選手たちの最適な組み合わせを見つければいい」と、日本代表の今後に向けて一つの答えを投げかけた。
来年からはこれまで以上に厳しい戦いが選手たちを待ち受ける。ハリルホジッチ監督と日本代表はともに歩み、手を取り合ってチームにとって最適なバランスを見つけられるか。吉田が指摘するポイントは未来に向けて非常に重要な示唆と言えるだろう。
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