「我々及び観衆が、楽しみと喜びを抱くことを望んでいる」
代表ウィークが明けて、ブンデスリーガが再開する。それだけのことが、今回は特異な意味を持つこととなった。
2015年11月13日の夜、パリがテロリストによる攻撃を受ける。同じくパリのスタッド・ド・フランスで行われたフランス代表対ドイツ代表の試合は、周囲で自爆があったものの、事なきを得た。
しかし、17日に一度はハノーファーで予定通りの開催が決まったドイツ代表対オランダ代表の試合は、直前になって中止が決まる。スタジアム内で不審物が発見されたなど、テロの可能性があったことによるものである。
つまりドイツ国内のフットボールにとって、潜在的なテロの脅威は、対岸の火事ではなくなった。対オランダ代表戦が中止となったことを受けて、ドイツサッカーリーグ(DFL)は、20日のブンデスリーガの1部と2部の試合を予定通り開催するか、改めて協議を行う。
ラインハルト・ラウバル協会会長は「テロに屈しない姿勢を保つ一方で、人命を最優先するという方針を貫く」と発表する。協議の末に、ブンデスリーガは予定通り再開することとなった。
その皮切りとなるのが、第13節ハンブルガーSV対ボルシア・ドルトムントだ。18日の会見でHSVの指揮官ブルーノ・ラッバディアは、パリの惨劇を「全く不愉快でフェアではない」とした上で、次のように述べている。
「それでもやはり、私は自分に制約を課したりはしない。それでも人は、人がしたいことをするべきだ。だからブンデスリーガを開催し、試合をすることは全くもって正しいことだよ。私は、いつも通りに試合に臨むし、我々及び観衆が、楽しみと喜びを抱くことを望んでいる。というのは、フットボールはまさにそのために存在するからだ」