ヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】
【日本 2-0 カンボジア 2018年ロシアW杯アジア2次予選】
日本代表は17日、ロシアW杯アジア2次予選でカンボジア代表と対戦して2-0で勝利した。
前半、カンボジアは素早いカウンターを仕掛けて日本ゴールへ迫った。吉田麻也、槙野智章のCBコンビは対応に追われ、30分には槙野が相手の突破をファウルで止め、イエローカードを提示されている。
日本の試合運びの拙さがカンボジアの攻撃を後押ししてしまった形だが、FWはスピードがあり、日本に一泡吹かせてやろうと猛然とゴールに迫った。GK西川周作はそんな姿勢に「けっこうやるな」と感じたという。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も試合後、「真実を言いたい。(カンボジアは)素晴らしく戦うチームだ」と賛辞を送った。一方で、「守備的なチームでカウンターアタックを仕掛けてくるチーム」とも述べている。
日本はアジアの上位国であり、カンボジアとしてはまずは守備を固めて少ないチャンスに賭けるのが定石だ。これはカンボジアに限らず、シンガポールもアフガニスタンも同じだ。このグループで日本の次に力のあるシリアもそうだろう。
だが、こうした戦い方にハリルホジッチ監督は一石を投じる。
「これはアジアの監督たちへのメッセージなのだが、毎試合このようなプレーをしていては向上しない。チームを発展させたいのであれば、勇気を持って攻撃するべきだ。恐らくそれが原因で、アジアは低い地位にとどまっているのだと思う」
素早いカウンターを見せたこの日のカンボジアには、少なくとも『攻撃に出たい』という意欲は感じられた。だからこそ、ハリルホジッチ監督もこうした“アドバイス”を送ったのではないか。
日本がさらに成長するためには、アジア全体の底上げが不可欠。でなければ、アジアでは強者でありながら、世界に出ると通用しないという図式はいつまで経っても変わらない。
【了】