内容・結果ともに圧勝が不可欠
2015年の日本代表はまさに波乱に富んだ1年だった。年明け早々のアジアカップ(オーストラリア)は伏兵・UAEにPK負けし、まさかの8強止まり。直後にハビエル・アギーレ監督解任という大事件が起こった。
3月には2014年ブラジルW杯で初出場のアルジェリアを16強へと導いたヴァイッド・ハリルホジッチ監督が就任。タテに速く、デュエル(局面の勝負)を重視するスタイルを打ち出したと思いきや、6月の2018年ロシアW杯アジア2次予選初戦・シンガポール戦(埼玉)でスコアレスドロー。
8月の東アジアカップ(武漢)でも史上初の最下位と、日本サッカー界に大いなる暗雲が立ち込めた。
それでも9月以降、チーム状態がようやく上向き始め、その後は2次予選4連勝。引かれた相手を攻略する道筋や得点パターンも見えつつある。その流れを止めることなく、明るい未来を予感させるためにも、17日のカンボジア戦(プノンペン)は内容・結果ともに圧勝が必要不可欠だ。
16日夜に試合会場のナショナル・オリンピック・スタジアムで行われた前日練習でも、最後に円陣が組まれ、指揮官から「最高の試合をして年内を締めくくろう」と檄が飛んだほど、チーム全体が強い意気込みでゲームを迎えようとしている。
今回は12日のシンガポール戦から大幅にメンバーが入れ替わる見通しだ。前回先制点を挙げた金崎夢生(鹿島)の負傷欠場はほぼ確実。ケガを抱える武藤嘉紀(マインツ)、W杯予選史上初の5戦連続ゴールの記録樹立がかかる本田圭佑(ミラン)らが控えに回るだろう。