ロシアW杯アジア2次予選のカンボジア戦を翌日に控えた日本代表は16日、現地で練習を行った。

「真ん中で岡崎と競争してほしい」。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は10月シリーズの際、武藤嘉紀を最前線で起用することを示唆した。そして、イラン戦で中央に入った武藤は泥臭くゴールを奪っている。

　だが、先日のシンガポール戦では3トップの左でプレー。代わりに中央には金崎夢生が入り、先制点を挙げる活躍を披露した。

　武藤はマインツでCFとして活躍しし、ハットトリックを達成するなど着実に結果を残している。シンガポール戦でも1トップは武藤が入るのでは、という予想もあった中でのサイド起用。これについて本人はこう話した。

「どこで出場しようと準備はできています。やはり、自分のいいところはどこでもできることだと思うので、与えられたポジションでしっかりと臨みたい」

　武藤が言うように、前線のどの位置でもハイレベルなプレーを出せるのは大きな強みだ。また、ハリルホジッチ監督も「サイドでもプレーできる」と10月シリーズの会見で話している。つまり、指揮官は色々な役割をこなせる武藤を評価しているということだろう。もちろん今後、武藤が中央で起用される機会もあるはずだ。

　とはいえ、安心してもいられない。金崎はゴールを決めてアピールし、岡崎は前線の核の一人でその存在は大きい。

「1トップとして出るからには得点が全て。あとはダイレクトの質、簡単に落とすところだったり、自分でキープするところの質を高めていければ」

　左で出場したシンガポール戦では2つのゴールに絡んだが、自らネットを揺らすことはなかった。武藤としては、CFとしての自身の価値を示したいところだ。

【了】