【サッカー批評issue55】掲載
※2012年3月に取材
Jリーグブームの記憶
華やかなりしJリーグ創始期を知る選手は数えられるほどになった。今季、FC岐阜に加入した服部年宏はそのひとりだ。
これまでの歩みをざっと振り返る。1994年、ジュビロ磐田でプロのキャリアをスタートさせ、やがてJリーグ史上最強と評されるチームの主軸を務めた。2007年、13年間プレーした磐田を去り、東京ヴェルディに加入。J1昇格に貢献した。2010年、当時JFLのガイナーレ鳥取に移籍し、J2昇格を達成。つまり、岐阜が4つ目のクラブになる。
J1、J2、JFLを合算し、522試合に出場している(※2012年3月時点)。ナビスコカップや天皇杯を含めれば、600試合を優に超す。これらをプロ18年間で積み上げた。
まさに鉄人である。
さらに日本代表の国際Aマッチ出場は44試合を数える。日本が初めてワールドカップに出場した1998年のフランス大会、2002年の日韓大会にもメンバーに名を連ねた。
J1の最多出場記録ホルダーは伊東輝悦(ヴァンフォーレ甲府)の511試合。こちらも大変な偉業だが、異なるディビジョンでプレーし続けるのは違った困難がある。待遇や環境の劣化に合わせ、自分を変化させていかなければならない。考えようによっては、後者のほうが過酷で、積み重ねるのが難しい記録である。
そうして2012年、服部は19年目のシーズンを迎えた。