ドイツのアンゲラ・メルケル首相【写真:Getty Images】
13日に発生したフランス・パリでの同時多発テロの影響で開催が危ぶまれていたものの、ドイツサッカー協会はオランダ代表との国際親善試合を予定通り17日に開催すると発表。この試合に向けたある動きについて、独紙『ヴェルト』が紹介している。
同紙によると、アンゲラ・メルケル独首相は17日のドイツ代表対オランダ代表の親善試合の観戦を予定しているとのことだが、これにドイツ政府の内閣閣僚全員が同席しようという動きがあるという。
このメルケル首相の行動に関して、同紙は1972年のミュンヘン・オリンピックを紹介。今から43年前に西ドイツ(当時)で行われた同大会は、開催期間中にパレスチナ人テロリストグループがイスラエルの代表選手を人質に取り、17人が死亡するという悲惨な事件が起こった。
だが、当時のアベリー・ブランデージIOC会長は1日の中断を挟んで大会を続行する指示。併せて、以下の声明を発表した。
「国際協力の中核であり、素晴らしき意志をテロリストたちに打ち砕かせることは許されない。ゲームを止めることはできない」
西ドイツのみならず、スポーツ界全体がテロに屈しない姿勢を表明したミュンヘン五輪から43年。テロの恐怖が世界を揺るがす中、ドイツは「ゲームを止めることはできない」という言葉に込められた理念を実現すべく、国家の要人を動員することで率先して行動を起こそうとしている。
試合はドイツ・ハノーファーで行われる予定だ。
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