シンガポール戦のテーマは『サイド攻撃』。キーマンは5人
二次予選の初戦だった前回はホームでスコアレスドローに終わったシンガポールとの再戦でテーマとして掲げられているのがサイドアタックだ。自陣の中央を固めて来ることが予想されるシンガポールに対し、いかにサイドを突きながら最終的に中央のスペースを生み出すか。
つまりサイドからのクロスなどで直接的にゴールチャンスを作り出すこと、サイドを起点とすることで相手のディフェンスをワイドに開き、合間を突いてゴールを狙える状況を生むこと。サイド攻撃には大きく2つの要素があるが、それらを機能させる5人のキーマンを挙げたい。
サイド攻撃というと4-2-3-1の場合は左右のサイドバックとウィングが主体となるが、彼らのプレーを生かすために重要なのがボランチからの展開だ。縦のスピードアップを目指してきた日本代表だが、ボランチからワイドに展開するパスや大きくサイドを変えるパスが限られ、テンポにも問題が見られた。
その改善を担えるのが柏木陽介だ。メンバー選考においてハリルホジッチ監督は「ボールを受ける時に、すでにアイディアをたくさん持っている」と評価しており、「ビルドアップでもっとテクニックをもたらしてほしい」と期待している。左利きということもあり、左への展開をスムーズにできるため、同サイドのサイドバックとウィングを前向きにプレーさせやすい利点もある。
ハリルホジッチは柏木に「なるべく高いところで」ボールをつなぐことを要求しているが、シンガポールの前線がちょうどプレッシャーをかけてくるポジションでもある。同時に広いエリアを見られる能力を有効に使い、周りの選手とバランスを取りながら、短いパスも織り交ぜてサイドの高い位置に起点を作る様にしてほしい。