珍しく取材規制がとかれたユナイテッド
本来ここでは、香川真司の話だけではなく、広く英国の『フットボール』について書いていきたいのだが、今日までは仕方がない。それだけの出来事があった。
11月8日金曜日、マンチェスター・ユナイテッドの新たなグローバル・パートナーの発表会見があった。米高級時計メーカーの『ブローバ』が今年の8月から公式タイムキーパーとなり、試合時間をはじめ、プレミア王者の全ての時を刻むという。会見は、異例だったが練習前の朝9時、ユナイテッド練習場『AONトレーニング・コンプレックス』で行われ、香川も出席した。
こうしたお披露目の席でも、通常ユナイテッドの場合はなかなか選手に話をさせないのだが、この日は違った。出席した選手は香川を含め、ウェイン・ルーニー、ライアン・ギグス、フィル・ジョーンズ、サム・ジョンストンの5人だったが、なんと全員、囲み取材に応じたのだ。
普段は厳しく選手との接触を規制されているので、囲みが許されると、ユナイテッド番の英国人記者達が、そろって少し怪訝な表情になったのが面白かった。
香川は、室内練習場の2階バルコニーで日本人記者団に囲まれた。早朝ではあったが、試合直後にアドレナリンが体内を駆け巡っている状態とは違い、この日の日本代表MFの表情はなごやかで、質問に答える口調は穏やかだった。
インタビューは、香川が昨日(11月10日)行われたアーセナル戦について「どんな形であれ、勝てればいい。技術が高い選手が多いし、攻守にわたって90分間ハードワークしないと勝てないと思う」と話し、ある意味完璧に試合展開と結果を予言して始まった。そこから最近の試合を振り返りながら、今のユナイテッドでの立ち位置を明らかにしていった。
その内容は、現在ほぼ左サイドで固められたポジションで、どう自分をアピールするか、しているかというディテールでもあった。