20歳の若手にもポジションを奪われた本田
「ベルルスコーニ会長が、我々のロッカールームを訪問して下った。『感服です、今日のみなさんは(アリゴ・)サッキ時代のミランさながらでしたよ』と。まさに紳士といった風情だった」
記者会見で、アタランタのエドゥアルド・レーヤ監督は試合後のエピソードを明かした。ミランのシルビオ・ベルルスコーニ会長が直接アタランタの健闘を称えに来たというのだ。
激しいハイプレスでボールを奪い、スピーディで柔軟な速攻を仕掛ける。そこは確かに、サッキ時代の組織的な攻撃サッカーと通じるものがあった。
今回のアタランタ戦では前半からリカルド・モントリーボが激しい狙い撃ちにされ、またDFラインも押し下げられてボールを失った。さらに後半には攻撃を意識するあまり中盤の数的不利が助長され、後手に回る。
16歳のジャンルイジ・ドンナルンマが好セーブを見せていなければ、確実に敗れていただろう。
「重要な選手3人を故障や出場停止で失っていた。その代わりに出した選手たちも、力の持つ限りは頑張ってくれた。ずっと90分間プレーしていなかった面々だったので、ペースが落ちるのは仕方のないことだった」。シニシャ・ミハイロビッチ監督はインテンシティの低下を嘆いていた。
その「代わりに出した選手たち」の中に初先発のエムバイエ・ニアンがいたが、彼は60分過ぎには動けなくなっていた。「はっきり言って僕は死んでいた。このままチームを実質10人にしたらチームに迷惑を掛けるので交代を願い出た」と本人がベンチに伝えたところで、ようやく本田圭佑の登場になったという。