クロップ監督、チェルシー戦でリーグ戦初勝利
10月31日にリバプールを迎えたスタンフォード・ブリッジでは、「明日の朝にはクビだな!」というチャントが繰り返された。リバプール戦の会場では、ブレンダン・ロジャーズ体制が終焉へと加速した昨季終盤戦からお馴染みだったチャントだ。
ただし今回は、敵地でチェルシーを下した(3-1)リバプールのファンが、相手監督のジョゼ・モウリーニョに向かって歌っていた。勝利を確定した3点目が生まれた瞬間、自軍ベンチ前には飛び上がって喜ぶ新監督、ユルゲン・クロップの姿があった。
11節チェルシー戦での勝利は、アーセナルとは両軍無得点に終わり、マンチェスター・ユナイテッドには3失点で敗れていたリバプールにとって今季初の強豪対決勝利だった。
アウェイでのリーグ戦逆転勝ちは昨年12月以来。スタンフォード・ブリッジでの勝利は前体制下の3年間で一度も経験できていなかった。そのチェルシー戦勝利がクロップ新体制のプレミアリーグ初勝利。ファンは監督交代1ヶ月目にして状況が一変したかのような気分だったに違いない。
実際、クロップのリバプールはロジャーズ時代とは違ったチーム像を見せ始めてもいる。初陣となった9節トッテナム戦(0-0)では総走行距離で敵を上回った。解説者のスティーブ・マクマナマンのように「走るだけでは意味がない」というOBもいたが、プレミア最高の「走り屋集団」との対戦だったのだから認める価値はある。
当日のスタメンでは、「1時間が限界」と言われていたアダム・ララナも、80分過ぎの交代まで報道陣が「見違えるようだ」と評したハードワークを披露。一心不乱にプレッシングに走るチームは、柔軟の域を超えていたシステム選択に代表されたロジャーズ体制末期の迷いを感じさせなかった。