ボルシアMGの心臓。前監督が残した遺産
新星が現れたのは、ボルシア・ドルトムントだけではない。BVBでは20歳のユリアン・バイグルが開幕から先発に名を連ね、レギュラーの座を不動のものとした。試合前の選手紹介では、場内アナウンスに応えるファンの声がひときわ高く響く。
しかし、そうした次代を担うスターの予感は、ブンデスリーガの他のクラブにも漂う。10月31日の第11節ブレーメン戦の後で、マルコ・ロイスは「フットボールの世界では全ての物事が速く進む」と言葉を残した。それは新世代の波についても言えることだ。中には、既に欧州チャンピオンズリーグを戦う者もいる。
19歳のマハムート・ダフートは、前監督のルシアン・ファブレが残した遺産である。開幕戦からボルシアMGは5連敗を喫したが、第5節ケルン戦の後に限界を悟ったファブレが辞任すると、6連勝とV字回復を見せる。U-23の監督を務めていたアンドレ・シューベルトに率いられたチームは、昨季3位の勢いを取り戻した。
回復の過程で、10月21日には、CLのグループD第3節をユベントスと戦う。トリノのアウェイでも持ち前のコンビネーションでパスを繋ぎ倒し、0-0のドローに持ち込んだ。そのユベントス戦でグラニト・シャカとツーボランチを組んで、ボルシアMGの心臓を司ったのが、ダフートだ。
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