チェルシーのモウリーニョ監督(左)とリバプールのクロップ監督(右)【写真:Getty Images】
現地時間31日に行われるプレミアリーグ第11節で、チェルシーはリバプールをホームに迎える。この試合は、単に名門同士の対戦であるだけではなく、両指揮官にとって重要な一戦だ。
チェルシーはここまで3勝2分5敗の15位と低迷しており、ジョゼ・モウリーニョ監督に対する風当たりが日増しに強まっている。24日の第10節ウェスト・ハム戦(1-2)、27日のキャピタル・ワン・カップ(リーグ杯)ストーク戦(1-1、PK戦で敗退)で2連敗を喫し、もしリバプール戦にも敗れるようなことがあれば、解任は免れないと現地では報じられている。
ウェスト・ハム戦で退場したセルビア代表MFネマニャ・マティッチは出場停止処分をストーク戦で消化したためリバプール戦は出場可能だが、ジエゴ・コスタとペドロが負傷で欠場が濃厚。フランス代表FWロイク・レミーが1トップを務めることになりそうだ。
泥沼にはまってしまったチェルシーだが、実はホームゲームで24試合連続得点中というプレミアリーグ最長記録を継続中である。リバプール戦では、守備陣がいかに相手の攻撃を抑えるかが鍵となりそうだ。
一方のリバプールは、第8節のエバートン戦を1-1の引き分けに終えたことでブレンダン・ロジャースを解任し、ドルトムントなどで指揮を執ったユルゲン・クロップ新監督を招聘。
就任4試合目となったキャピタル・ワン・カップのボーンマス戦で初勝利を挙げたが、それまでの3試合はいずれもドロー。ロジャース体制も含めて、リバプールは公式戦全15試合中9試合で引き分けており、勝ちきれない試合が多い。
けが人事情はチェルシーよりも深刻だ。長期離脱中の主将ジョーダン・ヘンダーソンは復帰が間に合わず、エースのダニエル・スターリッジとダニー・イングスとった攻撃陣が負傷を抱えている。さらには、クリスティアン・ベンテケもこのリストに加わってしまう事態となった。
クロップ監督にとって、残る選択肢は今季リールへの期限付き移籍から復帰したディボック・オリギのみ。クロップ監督はドルトムント時代にオリギ獲得に動いていたことを明かしており、「速くて技術がある。彼は好きな選手で、多くの楽しみを持っている」と期待を寄せている。
直近のリーグ10試合の対戦成績では、チェルシーが3勝、リバプールが4勝、引き分けは3つとほぼ互角。チェルシーはリーグでのリバプール戦は6試合無敗を続けているが、今季だけですでにスタンフォード・ブリッジで2敗を喫していることから、あまり参考にはならないかもしれない。
レアル・マドリー時代のモウリーニョ監督は、ドルトムントを率いたクロップ監督と4度対戦して1分3敗と相性は悪い。
いずれにしても、この大一番は両クラブのシーズンを行方を左右することとなりそうだ。ハロウィーンに行われる決戦で、勝利という甘い“お菓子”を得られるのはどちらのチームだろうか。
解任寸前のモウリーニョの反撃か、新任クロップのリーグ初勝利か。いずれにしても、両監督とも“悪夢”にならないことを祈っているはずだ。
【了】