1年でJ2降格も…石崎監督を続投させた山形
2004年シーズン以来となる2ステージ制を復活させたJ1のレギュラーシーズンも、いよいよ残りは2試合となった。セカンドステージの優勝争いや年間チャンピオンを争うチャンピオンシップへの出場チーム、そしてJ1残留争いの行方もある程度絞られてきた。
一方で来シーズンへ向けて、早くも指導体制を変更させているクラブもある。名古屋グランパスは任期満了の西野朗監督に代わって、小倉隆史GM補佐が監督兼GMに昇格することが10月27日の取締役会で報告された。柏レイソルもリーグ戦の戦いがふるわないとして、就任1年目でACLベスト8進出を果たした吉田達磨監督の事実上の解任を同28日に発表している。
3シーズン連続でJ1残留を果たしたヴァンフォーレ甲府は、辞任した樋口靖洋前監督に代わって5月から指揮を執ってきた佐久間悟監督が退任を示唆している。クラブ史上初のJ2降格を喫した清水エスパルスの田坂和昭監督の退任も、複数のメディアで報じられている。
これらのクラブと対照的なのがモンテディオ山形となる。24日のヴィッセル神戸戦で敗れ、エスパルスに続いて無念のJ2降格を味わわされたが、ヴィッセル戦に先駆けること3日前の21日に石崎信弘監督の続投を発表しているからだ。
J2へ降格したという事実に対して、当然ながら責任が発生する。たとえば、2013年シーズンにJ1を戦いながら、1年でJ2へ逆戻りした湘南ベルマーレの曹貴裁監督はこう語っていた。
「責任があるからすべてを投げるのか、続けるのか、続けてくれと言われるのか、やめてくれと言われるのか。それによって責任の取り方は変わってきますが、僕はいままでも、これからも逃げるつもりはまったくありません」
チームが描いてきたベクトルは間違っていないとして、ベルマーレは曹監督に2014年シーズンの指揮を託した。曹監督は「湘南スタイル」をさらに進化させて1年でJ1に復帰させ、さらに3試合を残して残留を勝ち取ることで責任を果たした。クラブの未来へ対して、当時のベルマーレといま現在のモンテディオが抱く考え方は共通項が多い。