指揮官は本田のウイングを評価。しかし説得力は…
「この新しいシステムであれば、彼のプレースタイルをよりよく活かすことが出来ると思う」
27日に行われたキエーボ戦の前日会見で、ミランのシニシャ・ミハイロビッチ監督はそう語った。トップ下を用いたシステムを廃し、「将来は4-4-2になる」と宣言。本田は左や右のウイングとしてならもっと活躍できる、というのだ。
ただ、この言葉には今ひとつ説得力を感じなかった。確かに本田は昨季のミランや日本代表で右サイドしてプレーし、好成績も挙げている。しかし、いくら可能性を語っても出場のチャンスが巡ってこなければどうしようもない。
左にはジャコモ・ボナベントゥーラに、右にはアレッシオ・チェルチ。CFのカルロス・バッカも含め、中3日で迎えるキエーボ戦でも前3人の構成は変わらないと地元紙はこぞって予想する。
そしてチェルチに対しては、手のひらを返して絶賛。27日付の『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は、「チェルチと本田の立場は入れ替わった。今度は本田が、信頼を得るために今以上のことをひねり出さなければならない」としていた。
「しかし、あれでチェルチが本当にいいと思ったのか? ボールロストはしまくってたし、守備意識はゼロだ。サイドをやるにしても本田の方がよっぽど優秀だと思ったのだが」
あるベテランの番記者が悪態をついていた。「そんな選手を起用しちまうのが今のミランなんだ。プレースタイルも合わないんだったら、本田にとってここに居続けるのは時間の無駄なんじゃないのか」とまで彼はまくし立てていたのだが…。
もっとも、所属する以上はチームのために貢献することを考えなければならない。与えらえた場所と立場でベストを尽くすことは、常に求められている。