アトレティコ・マドリー戦に大敗したアスタナ(黄色)【写真:Getty Images】
現地時間21日、アスタナはチャンピオンズリーグ(CL)第3節でアトレティコ・マドリーと対戦した。
アスタナはカザフスタンの首都に本拠地を置くクラブ。一昨季はヨーロッパリーグ(EL)1回戦敗退、昨季はELプレーオフ敗退と欧州大会の本戦に参加したことはなかったが、今季はCL2回戦から勝ち上がっている。
これまでカザフスタンのクラブがCLに参加したことはなく、同国史上初めてCL本大会に参加している。これまで欧州の大会に参加したこともなかったアスタナだが、カザフスタンサッカー史に残る1歩を踏み出していた。
しかし、アウェイでのアトレティコ戦は0-4の完敗。初出場のアスタナに対して一昨季ファイナリストのアトレティコは格上だが、この試合はもはや“諦めムード”だったのかもしれない。
この試合でアスタナがベンチ登録した選手はたったの4人。本来は7人登録できるが、GKとDFが2人、MFが1人でFWはベンチに入っていなかった。
ブルガリア人のストラミール・ストイロフ監督はGKを除く3選手を途中投入しているが、DFイゴール・ピカルキンは国内リーグで4試合、DFビアチャム・クルベコフは5試合、MFザキプ・コザムベリに至っては出場なしと、ほとんど出番のない選手をピッチに送り出している。3点を追っている状況でDFを2人投入するなど、苦しい交代策だ。
第2節まではフルメンバーでいたアスタナだったが、国内リーグでは残り4試合と佳境を迎えており、首位のカイラト・アルマトイと勝ち点5差の2位と優勝争いを繰り広げている。
今月28日にはそのカイラトとの直接対決を控えていることから、大一番に向けて選手を温存したようだ。ストイロフ監督も、「我々はリーグ戦で重要な試合があるので、8人をカザフスタンに残してきた」と認めている。
アスタナからマドリードまではおよそ5700km(ちょうど網走-石垣島を1往復できる)ほどの距離があり、移動にも負担がかかる。
国内リーグ終了後の来月21日には国内カップ決勝戦(ちなみにこれも対戦相手はカイラト)を控えており、全てが重要な試合となる。
欧州最高峰の舞台への挑戦というクラブ史に残る冒険を続けていたアスタナだったが、CLでの戦いは重荷でしかなかったのだろうか…。
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